おおさんしょううおの手術! ~オオサンショウウオのぬいぐるみの洗濯、お直し~
※こちらの記事にはぬいぐるみを解剖している様子の写真がございます。ご気分を害される方の閲覧はご遠慮ください。
今回は出会って5年以上経つ我が家のアイドル
京都水族館のオオサンショウウオのぬいぐるみMサイズ(通称初代)
の治療をします!
私のあたまのなかで行われた問診の様子をご覧ください!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガラガラ~
私「こんにちは~今回はどうされましたか?」
おおさんしょううおM(以下初代)「最近、毛並みがばさばさしていて、食べる量変えてないのに体重が減ってしまって、なにか悪い病気にかかってしまったのではないかと思って…」
私「なるほど~それは心配ですね。どれどれ」
私「たしかにお腹まわりの皮膚が余ってしまっていますね。飼い主様に可愛がられたことによってはからずともダイエットになったようですね。ただ、お年なので長年の愛情によりやせすぎになってしまったようですね」
初代「なるほど」
私「毛質は、、、持ち前のふかふかさが失われていますね。今までなにかお手入れはされていましたか?」
初代「飼い主に1年に一度くらい重曹で洗ってもらってはいたんですが、最近は毛質が回復しなくなって、、、」
私「なるほどなるほど。では加齢によるものですね。
大幅な毛質の改善ということでしたら入浴を試してみましょう。
あと、お腹の皮膚のたるみですが、こちらは脂肪注入により改善するでしょう。お腹だけでも良いのですが、もう5歳をすぎてらっしゃるので他の部位もお痩せになってしまう可能性があるので古い脂肪を出して、全身に新しい脂肪を注入する方が手術の回数も減り、お体への負担も減ると思うのですがどういたしますか?」
初代「じゃあ、、、全身でお願いします!」
私「では入浴と全身の脂肪注入ですね~。手術後1日安静にしていただかなければいけないのですが、いつ手術されますか?」
初代「今日お願いします」
私「本日ですね。では準備出来次第手術いたしますので、まずこちらの同意書を記入していただきます。
今回の手術と入浴を同時に行います。先に施術内容と副作用の説明いたします。
正中線で切開した後、全身の脂肪を取り出します。そのあと入浴、乾燥後、脂肪注入、最初に切開したところの縫合となります。今回副作用として、脂肪を入れ替えることによる局部の違和感、また適正体重にもどすため今の脂肪の量と同等か少し多い量の脂肪を注入することによる体重増加が起こり得ます。
通常入浴だと脂肪の乾燥不足でカビが発生する可能性があるのですが、今回は脂肪を取り出した後、入浴となりますので水分を含むことはほぼないと考えられますので副作用欄にカビがふくまれません。
あと、最後に注意事項ですが先ほどもお伝えした通り、術後1日安静が必要となります。一度目を通していただき同意いただけましたら記入お願いします。」
初代「手術はどれくらいの時間かかるんですか?」
私「4時間~5時間程度でおわります」
初代「わかりました」
私「ではさっそく手術いたしますのでこちらに横になっていただいて、、、」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※ここからは実際の手術の方法をお伝えします。なおこのあとぬいぐるみが解剖されている様子の写真があるので苦手な方はご注意ください!
まず術前の様子を。
日焼けで毛色抜けてしまってますね。お年を召し始めたことをとても実感します。
こちらが実際の症状です。
私に修学旅行で出会い、
京都水族館から遠い私の地元に連れ帰られ、
家族に可愛がられ、
受験会場に連れて行かれたり、
浪人も失恋も私を支えてくれ、、、
本当に今までたくさん支えられました。
おかげで私の汗も、涙も、化粧も、(きっとよだれも)吸ってしまったでしょう。
では実際の処置の仕方を。
まず初代の縫い目を探します。今回は裏面のお腹の真ん中のからしっぽ側にありました。まるで本物の正中線のようでちょっと感動(笑)
シームリッパー(なかったから糸切りばさみ)で慎重に縫い糸を切って開いていきます。
開いていくと最初は手縫い(?)の茶色の糸、途中で白のミシンの縫い目に変わりました。
で、ある程度開くとポリエステル綿の他にビーズが入った袋が出てきました。袋が破けていないかドキドキしましたが、きれいな状態で安心!
今回ビーズは心臓というと取り出しちゃいけないな~でも心臓っぽいよな~と考え「heart」と表現することにしました笑
少しずつ綿を取り出していきます。あとで綿を買いに行くのにどのくらいの重さかを知る必要があるため綿はビニール袋にいれます。オオサンショウウオMの綿は約40gでした。
ある程度取り出した後、布をひっくり返し、できる限り取り出したとき、足先は綿が縫われていることに気が付き、縫われている分はそのまま残しました。
次に布の部分を手洗いしていきます。ぬいぐるみの洗い方を何個か調べた結果こんな感じでした。
- 30度くらいのお湯をしみこませ、軽くもみ洗い
- 衣料用洗剤を少し溶かし、押し洗い
- すすぐ
- 柔軟剤をとかしたお湯に20分つける
- タオルで水分をある程度とる
- 洗濯機で脱水
- 除湿機の上で乾燥させながら全身ブラッシング
1の段階で水がにごり、「まさか色落ち!?」とびくびくしました。今回、使用した洗剤はアタックですが、おしゃれ着洗剤を使うことを推奨します。
2の押し洗いは5分程度にとどめないとぬいぐるみが痛むとの情報があったため従いました。しかしよく考えたら今回布だけだし、時間を気にする必要はなかった気がします。
柔軟剤は青いレノアを使用しました。タオルでつつみ、洗濯用のネットにタオルごと入れ、洗濯機で脱水を少ししました。(今回布だけとは言え、目がついているので保護のためにもタオルは大事でした。)
その後、除湿機の上で除湿しながら歯ブラシで優しく逆毛を立たせていきました。
乾燥させている間にポリエステル綿を買いに100円ショップへ。100g110円で売っていました。今回は取り出している量が40gなので1つ購入。
ある程度乾いたところでせっかちな私は綿詰めを。
同じ種類のビニール袋に入れ、40gを図り、丁寧に詰めていきました。
脚にもしっかり詰めていき、ビニール袋は空になりましたが、ビーズをいれて縫ってもスペースが余るので、綿を追加していきました。
ビーズを入れる場所をつくり、縫合を開始しました。大学の授業で縫合の仕方ならったな~となんとなく考えながら、黒の糸で丁寧に縫合。
なんとなくのイメージだけでやったのにきれいに縫えました。
作業で毛が寝てしまったのでもう一度ブラッシングして除湿機の上に帰しました。
こちらが術後の様子です。
毛並みもとりあえず復活。縫合したあとも馴染んでいて元通り!
ではあたまのなかで交わされた術後の会話もどうぞ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私「初代さん~おつかれさまです。手術無事終了しましたよ」
初代「んーーーーー。」
初代「あ、先生、もしかして手術おわったんですゕ~」
私「はい。無事おわりましたよ。まだ眠そうですが体に違和感等ございますか?」
初代「違和感、、、あ!きちんと皮膚余ってないし、毛もふわふわ!ありがとうございます」
私「よかったです。今回元の脂肪より多めに注入しましたので少し重いかと思います。ではここから24時間はこのまま除湿機の上にいてくださいね」
初代「はい!」
私「では、お大事に~」
ということで私は長年支えてくれた初代とこれからも一緒にいれそうです。
毛質もとりあえずふわふわになりましたが、長年の可愛がりで痛んではいるのにかわりはないので、季節に合わせた服を着てもらうためにこれからも服をつくろうときめました。
おおさんしょううおに服を着せよう!シリーズ
ぬいぐるみ手術シリーズ
スター、ブックマーク、読者になるボタン押していただけたら喜びます!